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腸の不思議
腸は、食道やに続く消化器の一つであり、大きく小腸と大腸の二つに分けられます。
小腸は主に栄養素の最終的な消化・吸収と免疫を担い、大腸は主に腸内細菌と共生し、弁を作り排泄する役割を担っています。
ここ数年「腸」の研究が一気にすすみ、21世紀は”腸の時代”の到来ともいわれています。
今回は腸の働きについて考えてみたいと思います。
目次
小腸の働き_栄養吸収のアンカーは微絨毛(びじゅうもう)?
私たちは生命を維持するために、食べ物から身体のもととなる材料や生命のエネルギー源を取り込んでいます。
しかし、私たちが食べたごはんやお肉等は、そのままでは体内で利用することはできません。
食べ物の大半は糖質やたんぱく質、脂質であり、これらは複雑な構造をした大きな分子からできているために、口から入った食べ物は唾液や胃液、膵液、胆汁等の連係プレーによって、少しずつ消化を進めていきます。
そして、小腸で消化の最終工程を終え、必要な栄養素だけを吸収します。
では、こうした働きは小腸のどこで行われているのでしょうか。
栄養素の吸収の鍵を握っているのは、小腸の絨毛(じゅうもう)の表面に密集する微絨毛とよばれる小突起です。
小腸の内壁には輪状ひだ(輪の形をしたひだ)があり、その輪状ひだを覆うように絨毛が存在しています。
そして、その一つの絨毛の表面には、5,000-6,000個の栄養吸収細胞があり、さらにその一個の栄養吸収細胞の先端に微絨毛が約2,000本並んでいるといわれています。
こうした小腸内壁の構造により、粘膜の表面積が見た目の約600倍に広がり、食べ物と触れ合う表面積が大きくなるので、効率よく栄養素が消化吸収されるのです。
では、実際に微絨毛からどのように栄養素は消化・吸収されるのでしょうか。
微絨毛の表面には、終末消化酵素があります。
この終末消化酵素との接触によって栄養素が吸収される直前に最小単位の分子(糖質はブドウ糖、たんぱく質はアミノ酸、脂質は脂肪酸等)に分解されます。
なぜ、終末消化酵素と接触するまで分解されないのかというと、早いうちに最小単位の分子に分解されると、大切な栄養素が微絨毛の周辺にいる腸内細菌に横取りされてしまうためです。
そして、分解されたブドウ糖やアミノ酸、水溶性ビタミン、ミネラルは毛細血管へと流れます。
脂肪酸や脂肪性ビタミンはリンパ管から吸収されます。
いずれの栄養素も最終的には肝臓へと運ばれます。
空腸と回腸の違いって?
小腸は空腸と回腸に分かれます。
一般的に小腸の初めの2/5は空腸で残りの3/5が回腸といわれていますが、明確な境目はありません。
ではなぜ、空腸と回腸で名前が分かれているのでしょうか?
空腸は食べ物の通過が早く、空っぽのことが多いため、他方回腸はくねくね回るような見た目から名前が付けられたといわれています。
また、両者には構造上や役割の上でも違いがあります。
空腸は筋肉量が多いため、内容物を勢いよく前に進めます。
また、絨毛が密に存在しているため、分泌される終末消化酵素の活性もたかく、効率よく栄養素を消化・吸収します。
他方回腸は、絨毛が粗く存在します。
また、筋肉量も少ないために内容物の流れが緩やかで、細菌が定着しやすいので、腸管特有の免疫組織が発達しています。
腸は免疫の最前線
腸には人体最大の免疫系期間があり、全身の免疫細胞のうち、実に60-70%が小腸の腸管(特に回腸から大腸にかけて)に集中しています。
腸管というと、食べ物を消化・吸収する場所と思いがちですが、食べ物と一緒に身体の中に入ってきた異物(体に有害なウィルスや病原菌)が栄養素と一緒に紛れて体内に侵入しないように徹底した警備で自己防衛する働きもになっています。
この防衛システムを「腸管免疫」といいます。
免疫とは自己と非自己を区別し、非自己を排除することで病気から免れる働きをいいます。
しかし、食べ物も非自己と認識されるはずなのに排除されることはありません。
これは、非自己であっても自分にとって有益な見方であるかどうかが判断基準となっているからです。
このような高度な識別能力はどのようにして行われているのでしょうか?
前述のとおり、小腸は絨毛で覆われていますが、そのところどころに絨毛がなく、へこんだ平らな部分があります。
ここがパイエル板です。
パイエル板は、樹状細胞、T細胞、B細胞等の免疫細胞が集まった腸管特有のリンパ組織で、いわば免疫細胞の基地といえます。
腸内からパイエル板をみると、まるでマンホールの入り口のようになっていて、病原菌が容易に侵入できるようになっています。
パイエル板の上皮にはM細胞があり、表面に出ている「GP2」というたんぱく質が、敵であるサルモネラ菌等と結合し、そのまま細胞内に取り込みます。
そして、樹状細胞が細菌を取って分解し、敵の断片をT細胞に提示します。
するとヘルパーT細胞が活性化され、B細胞にその敵に対する抗体を作るよう指令を送り、IgA(免疫グロブリンA)が作り出されます。
IgAは腸内に分泌され、常に腸内の状態を監視し、かつ、増えすぎた細菌を体外へ排出してくれます。
このように、腸管の免疫部隊はそれぞれに役割と持ち場が決まっていて、連係プレーで抗体という武器を生み出し、敵(異物)と闘っているのです。
便は食べ物の残りかすだけじゃない?
小腸で栄養素を取り入れられた食べ物の残りかすは大腸へと送られてきます。
大腸では、ぜん運動によって管を通る間に残った水分や一部のミネラルが上皮細胞の粘膜に吸収され、粥状(じゅくじょう)だった内容物は固形状の便に変化していきます。
ところで、便の中身は何か知っていますか?
固形状の物が排泄されるので、食べ物の残りかすがほとんどを占めているように思われますが、健康な人の便の70-80%は水分です。
そして、残りの20-30%が固形成分で、そのうち約1/3が食べ物の残りかす、約1/3が古くなった腸粘膜、約1/3が腸内細菌とその死骸です。
ちなみに便の色は、食べ物の消化を助ける胆汁色素のビリルビン(黄褐色)の影響を受けています。
ビリルビンは、大腸の中で腸内細菌の働きによってウロビリノーゲン(無色)に変化し、最終的に酸化して便の色のもととなるステルコビリン(黄褐色)となって便中に排出されます。
このステルコビリンが便の色のもとになっているのです。
<くびれは水分を吸収するため>
大腸の構造をよくみると、壁面に一定の間隔でふくらみとくびれがあることに気付きます。
実は、この構造には意味があり、内容物をとどめるともに、ぜん動運動が起きている際に内容物から水分を搾り取りやすくしているのです。
日本人の多くは落下腸?
女性の多くが便秘に悩んでいるといわれています。
便秘の原因には、食物繊維不足、運動不足、ストレス、腸内環境の悪化等が考えられますが、実は、大腸の形状が関係していることがあります。
本来大腸は、下記のピンク色の部分のように四角を描くような形をしています。
しかし、日本人の多くは大腸が複雑にねじれ、折れ曲がった「ねじれ腸」であったり、横行結腸が本来の場所からストンと落ち込んだ「落下腸」である等、特殊な形状を持っている人が多いといわれるようになってきました。
腸が折れ曲がっていたり、ねじれがあれば便が出にくいことは容易に想像できます。
日本人に便秘が多いのは、腸の形そのものに原因があるのかもしれません。
ただ、ねじれ腸や落下腸は、遺伝による影響が大きいと考えられており、それ自体を変化させることは容易ではありません。
自分の腸がねじれ腸や落下腸かどうか下記でセルフチェックをしてみましょう。
1 | 子供のころから便秘気味だった |
2 | 腹痛を伴う便秘になったことがある |
3 | 硬い便に続いて、下痢や軟便が出ることがある |
4 | 運動量が減ると便秘になる |
※二つ以上該当するとねじれ腸の疑いあり
※二つ以上該当し、さらに、立ち上がるとへそから下がポッコリ出っ張っている人は、落下腸の疑いあり。
ねじれ腸や落下腸の疑いがあった場合でも、詰まった便を移動させることができれば、便秘解消は可能です。
腸のねじれやすいのは、横行結腸から下行結腸へのつなぎ目、下行結腸、S状結腸なので、その部分をマッサージし、刺激するようにすると便の通りがよくなります。
人間のルーツは「腸」にあった?
生物が地球上に誕生したころにさかのぼると、誕生したばかりの生物は一つの細胞として生きる「単細胞生物」でした。
単細胞生物には、餌を取り入れる口のような構造として「細胞口」、餌を取り込んで消化・吸収を行る「食胞」、排出器官として「収縮胞」等があります。
単細胞生物の持つ器官には、多細胞生物の器官に通ずる働きをするものが存在しているのです。
では、約60兆個の細胞を持つ人間は、単細胞生物からどのように進化を遂げてきたのでしょうか。
人間のような多細胞生物は、各細胞が独立して存在するのではなく、細胞同士が互いに密着して物質の交換や情報交換を行うことにより、各個体が次第に役割分担し、組織を形成するようになったといわれています。
そして、この進化の過程で最初につくられた器官が、心臓でも脳でもなく、腸なのです。
多細胞生物は、単細胞生物に比べてより多くのエネルギーを必要とします。
そのため、生物を捕食してエネルギーを作り出すために、腸が初めに備わったのです。
原始的な多細胞生物の主要な器官は、触手と口と腸だけだったといわれています。
触手で食べ物を探し、口から食べ物を取り込み腸で消化した後、口から排泄するという、極めて簡単な機能でした。
やがて、この腸が進化の過程で分化して様々な内臓に発展していきます。
栄養素を蓄える細胞が腸から分離し肝臓になり、血中の糖分調整をするホルモンを分泌する細胞がすい臓に、食べ物を一時的貯蔵するための腸の前部の細胞が胃に、酸素を吸収する細胞が肺へと進化します。
そして、腸の入り口にある神経の集合体が脳へと進化していきます。
つまり、腸は、生物の器官の中で最も原始的で、あらゆる器官の生みの親ともいえる存在なのです。
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